回復期リハビリテーション病棟
概要
脳血管疾患や脊髄損傷、大腿骨骨折など発症から急性期治療を経た後に在宅生活復帰、社会生活復帰を目指しリハビリテーションを専門に行っていく病棟です。
内容・特色
■チーム体制によるリハビリテーション
専門職によるチーム(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護福祉士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士等)により各職の専門知識を生かして患者さんのリハビリ計画を立て在宅復帰、社会復帰に向けて質の高いサービスを提供いたします。
■病棟の生活自体が在宅生活を見据えたリハビリテーション
回復期リハビリテーション病棟では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などによる専門のリハビリテーション時間とは別に、朝起きる、着替える、食事をする、入浴を行う等、全ての生活を在宅・社会復帰を想定したリハビリテーションとなります。入院中の日常生活より各専門職がサポートを行い患者さん一人一人の生活に合わせたリハビリテーション計画を実施することが可能となります。
■患者さん一人ひとりに合わせたリハビリテーション
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による専門的リハビリテーションの時間では各療法士がマンツーマンで患者さんのリハビリテーションを行います。各療法士が連携し患者さん一人一人に合わせた治療を行います。
■365日リハビリテーション実施体制
回復期リハビリテーション病棟では平日のみならず、土・日・祝日・年末年始を含めた365日リハビリテーションを実施しています。切れ目のないリハビリテーションを実施し、早期回復や在宅復帰、社会復帰を目指します。
■一般病棟と併設のリハビリテーション病棟
当院の回復期リハビリテーション病棟は、一般病棟と併設されているため、万が一、患者さんの病態が変化した場合でも、院内の一般病棟医師による速やかな対応が可能です。診療科も充実しており、病変に対し専門的な対応ができます。
■摂食・嚥下障害の評価・リハビリテーション
- 嚥下造影検査(videofluoroscopic examination of swallowing : VF)・嚥下内視鏡検査(videoendoscopic evaluation of swallowing : VE)を実施。
- 経口摂取への取り組み
嚥下カンファレンスの実施:医師、言語聴覚士、看護師と、VFの結果を元に嚥下カンファレンスを定期的に実施しています。 - 摂食機能療法の実施
摂食機能療法とは
「食べる」「飲み込む」等の機能が低下し、今まで食べていた食事が食べにくくなった方に対し、できるだけ長く「食べる楽しみ」を持ち続けていただけるよう安全で食べやすい形態の食事提供や介助方法の検討、嚥下の訓練を行っています。
■家族指導
ご自宅で介護をされるご家族を対象に、おむつ交換、更衣、口腔ケアなどの介護指導教室を開催しています。
■自動車運転再開への支援
脳血管障害などによる上下肢の麻痺や高次脳機能障害が生じた患者さんに対し、自動車学校と協働し、自動車運転再開への取り組みを行っています。
- 運転実技、運転適性検査からなる講習を受け身体機能を自覚していただき、退院後の安全運転のための評価・訓練を実施しています。
- ドライビングシュミレーター
退院後に自動車運転の復帰をされる方に向けて、ドライビングシュミレーター「Hondaセーフティナビ」を使用し、運転技術における評価・訓練をサポートしています。※ドライビングシュミレーター「Hondaセーフティナビ」は、リハビリテーション中の方が、自動車の運転復帰に向けて運転に対する評価・訓練をサポートするためのソフトです。
■在宅支援センターとの連携
当院には在宅支援センターが併設されており、退院後の訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションの利用も可能です。
主な実績
実績指数 |
45.81 (35以上) |
---|---|
在宅復帰率 |
83.3% (70%) |
重症な患者さんの受け入れ割合 |
38.9% (20%) |
重症な患者さんの回復率 |
71.1% (30%) |
*( )内は厚労省の定める条件
※実積指数について
厚労省は、実績指数が35以上あると、「質の高いリハビリテーションを提供する病院」として認めることになりました。実績指数は、入院している期間が短いほど、また、ADL(日常生活動作)の改善度が大きいほど、高くなります。よって、この数値が高い病院ほど、より短期間でより効果の高いリハビリテーションを提供する病院であると言えます。
摂食機能療法件数
疾患別 入院患者数 |
令和4年度 |
令和5年度 |
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脳血管疾患 |
69名 |
70名 |
整形外科疾患 |
28名 |
25名 |
病棟 |
病棟に 入院できる期間 |
|
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1 |
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、 |
150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、 重度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 |
180日 | |
2 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折 又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 |
90日 |
3 |
外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、 手術後または発症後の状態 |
90日 |
4 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋 又は靭帯損傷後の状態 |
60日 |
5 | 股関節又は膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
6 |
急性心筋梗塞、狭心症発作その他の急性発症した心大血管疾患または |
90日 |
■入院から退院までの流れ
※下図をクリックするとPDFが表示されます