整形外科

整形外科(腰痛、下肢痛のペインクリニック)

概要

痛みには、炎症の痛み、神経の関与する痛み、精神的なもので増悪する痛み、血行障害による痛み、慢性痛などはっきり区別ができない痛みなど多くの種類があります。 また、これらが複雑に絡み合っている場合もあります。

「痛いなら痛み止め」という治療法ではなく、痛みの種類からその原因をさぐり、痛みを取り除いたり、痛みを和らげたりすることを第一目標とした診療です。

特色・方針・目標

痛みを我慢していると、さらに新しい痛みを招きます。「痛みの悪循環」と言います。
一度この悪循環に陥ると、なかなか一般の治療では痛みが改善しません。
悪循環が形成される前に治療を開始することが、慢性痛とならないために必要なことです。
当科では、まず検査によって患者さん個々の痛みの原因を総合的に診断し、すぐ手術をしなければ麻痺などの重大な障害を来す場合は手術治療をすすめます。しかし、大部分は手術以外の神経ブロック療法を中心に、投薬療法(漢方薬含む)やリハビリテーションを組み合わせることで治療を進めて、症状を軽快させます。

主な対象疾患

腰痛・下肢痛(坐骨神経痛、大腿神経痛)を引き起こす疾患は次のようなものがあります。

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症

  • 腰椎変性すべり症

 

主な症状

次のような症状を扱っております。

  • おしりから下肢にかけて痛みがある

  • 長い時間立っている事が辛い

  • 腰を反らすと下肢に痛みやしびれを感じる事がある

  • おしりの痛みが強く、座り続ける事が困難になる

  • 歩くと下肢に痛みが出るため歩けなくなるが、休むと歩く事が出来る

  • 体をかがめると痛みが強くなる

  • 下肢が冷える

  • すねから足の指先にかけて、びりびりとした痛みや、焼けるような痛みがある

検査内容

腰部のレントゲン検査のほかにCT検査やMRI検査で痛みの原因を明らかにします。

疾患・治療詳細

 

疾患の詳細

 坐骨神経(図1)は人体の中で最も太い神経であり、腰からお尻、太ももの後ろ側を通り、枝分かれしながら足先までつながっている神経です。

腰椎椎間板ヘルニア(図2)

背骨の腰の部分は5つの椎骨で構成され、椎骨と椎骨の間にはクッションの役割をする椎間板があります。その椎間板に老化や激しい運動などが原因でひびが入り、椎間板内の髄核というゼリー状の組織が一部飛び出して神経を圧迫することを椎間板ヘルニアといいます。10~40歳代の若い世代に多く見られ、頸から腰までどの場所にも発症する可能性がありますが、多くは腰の部分で起こります。原因としては、遺伝との関係、椎間板の老化、さらに喫煙とも関係すると考えられています。背骨に負担をかける動作をすることで腰椎椎間板ヘルニアを発症することもあり、重いものを持ち上げる、引っ張る、体をひねる、長時間の座り仕事などがあげられます。

図1

図2

 

腰部脊柱管狭窄症(図3)

図3

脊椎の中には、脊柱管というパイプ状の空間があり、その中を脊髄が通っています。脊髄は第1腰椎の位置で終わり馬のしっぽに似た馬尾神経となり、各腰椎から神経根として脊椎の外へと向かっています。加齢や疾患などの原因で馬尾神経または神経根の通り道が狭くなります。60歳代以降に多く発症します。

 

 


腰椎変性すべり症(図4)

図4

変性すべり症は、椎間板、腰椎の関節の変性に加え、腰椎の後方および前方を支えている様々な組織が弱くなり、腰椎全体が前方へすべり脊柱管(神経の通る管)を圧迫します。進行すると「脊柱管狭窄症」と同じような症状がみられます。多くの原因が関与していますが、加齢による変性が大きく影響していると考えられています。

5つの腰の骨のうち4番目の骨がすべりやすく、また男性に比べ、女性に多くみられる傾向があります。


治療の詳細

 

神経ブロック療法(仙骨硬膜外ブロック・神経根ブロック)

痛み治療の中心的治療手段になります。

痛みの伝達に関わっている神経に局所麻酔薬を注射するので、神経の伝達を遮断し痛みを軽減します。麻酔薬の効果は2時間程度ですが、神経を一時的にでも休ませることにより「 痛みの悪循環 」と呼ばれる痛みの慢性化を遮断し、その後も除痛効果を発揮します。

除痛効果だけではなく、全身の血行改善の役割もあり、血液中の酸素や栄養分とともに自然治癒力を助ける免疫物質が全身にいきわたることで、多くの病気にも効果があります。

 

薬物療法(漢方薬含む)

神経ブロック療法の補助的手段として、または神経ブロック療法が必要でない方や注射は苦手という方に薬物療法を実施します。投薬内容、投薬方法に関しては、その患者さんの生活スタイル、仕事等を考慮して決定していきます。

東洋医学(漢方薬)には、西洋医学では治療できない領域に治療効果が得られる部分があります。両者を融合させることで、西洋医学のみでは達成できない痛みの治療を実現できると考えています。

 

リハビリテーション

物理療法:温熱療法・電気刺激療法・牽引療法などを行い、様々な慢性疼痛の緩和を目的としています。

理学療法:寝返りする、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目的としています。

運動療法:膝痛、腰痛をお持ちの方の減量や筋力強化などを目的としています。

 

手術療法

適応があれば、脊椎疾患専門医に紹介します。

 

医師紹介

詳しくはこちら

医師名

主な所属学会と資格

三木 純

整形外科部長

  • 日本整形外科学会(専門医、認定運動器リハビリテーション医)

診療科

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