抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
概要
■抗菌薬適正使用支援チーム(AST)とは
抗菌薬の不適切な使用や長期間の投与が、薬剤耐性菌を発生あるいは蔓延させる原因となります。抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)は、医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師で構成され、抗菌薬の使用を適切に管理・支援するためのチームです。ASTでは、日常的に主治医から抗菌薬選択や投与量設計などの相談を応需し、週1回チームミーティングで症例検討を行い、継続的な介入支援を行っています。個々の患者に対して主治医が抗菌薬を使用する際、最大限の治療効果を導くことと同時に、副作用や耐性菌の出現などの有害事象を出来るだけ最小限にとどめ、いち早く感染症治療が完了出来るように、診療科の枠を超えた支援を行っています。
内容・特色
■抗菌薬適正使用支援チームの役割
1.特定抗菌薬使用症例や血液培養陽性症例などに対して感染早期からモニタリングを実施する。
2.感染早期モニタリングで対象患者を把握後、ASTミーティングを実施し、以下の項目について治療方針への活用状況を継続的に評価し、診療録に記載するなど、必要に応じて主治医にフィードバックする。
①.抗菌薬の選択、PK-PDに基づいた用法・用量の適切性
②.適切な微生物検査・血液検査・画像検査の実施状況
③.治療薬物モニタリングの実施
3.適切な検体採取と培養検査の提出やアンチバイオグラムの作成など、微生物検査・臨床検査が適正に利用可能な体制を整備する。
4.抗菌薬使用状況や血液培養複数セット提出率などのプロセス指標及び耐性菌発生率や抗菌薬使用量などのアウトカム指標を定期的に評価する。
5.定期的にAST活動状況とプロセス指標およびアウトカム指標について感染対策委員会に報告する。
6.抗菌薬適正使用を推進するための研修会を開催し、抗菌薬マニュアルの作成や改定を行う。
7.採用されている抗菌薬の種類、用量などについて定期的に見直しを行う。
8.他施設から抗菌薬適正使用の推進に関する相談対応を行う。
■抗菌薬適正使用支援チームの活動内容
ミーティング(症例検討):週1回(水曜日)
A S T 研修:年2回
A S T 活動報告:月1回
感染症診療相談業務:随時
チームメンバー
- ICD(感染制御医師) 1名
- 感染制御認定薬剤師 1名
- 薬剤師 1名
- 感染管理認定看護師 1名
- 臨床検査技師 1名