概要

呼吸器疾患は高齢化社会を迎えて今後さらに増えると考えられています。さらに、2020年の世界における死因の3、4、5位を慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸感染症、肺がんが占めると推計されており、日常診療における重要性は益々大きくなっています。

特色・方針・目標

呼吸器疾患の特徴は、腫瘍、感染症、アレルギー、自己免疫疾患など疾患の種類が多いということです。呼吸器内科では、3名の当院医師(常勤)がこのような多彩な呼吸器疾患の診療に携わっています。日本呼吸器学会関連施設、日本禁煙学会受動喫煙症診断可能医療機関に認定されており、認定医、専門医、指導医などの資格をもった医師が、日本版あるいは国際ガイドラインに従って、質の高い診断・治療を行っています
高齢者誤嚥性肺炎に対して、薬物治療はもとより、看護や介護、リハビリテーション、栄養管理などを含めた包括的な取り組みを行っています。
在宅呼吸器ケアとして通院困難な慢性呼吸不全の患者さんに対して訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションを行い、在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法などを継続しています。

 

禁煙外来を行っています

禁煙外来は完全予約制で外来日は毎週月曜日14時からです。医師、看護師、薬剤師による包括的禁煙指導を行っています。

※禁煙について正しく理解しましょう。
禁煙は愛 | 禁煙推進Webサイト

主な対象疾患

  • 呼吸器感染症
  • 気道疾病(気管支喘息、COPDなど)
  • 間質性肺疾患(特発性間質性肺炎、膠原病肺など)
  • 胸膜疾患(気胸、膿胸など)
  • 肺循環障害(肺高血圧症、肺塞栓症など)
  • 呼吸不全(急性呼吸不全、慢性呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群など)
  • 肺がん

主な症状

以下のような症状があるときは、呼吸器内科の受診をお勧めします。

  • 息切れ、呼吸困難、咳、痰、喘鳴
  • 健康診断のレントゲンなどでの胸部異常陰影

検査内容

肺機能検査(肺活量・フローボリュームカーブ)、気管支鏡検査、超音波気管支鏡下肺生検、CTガイド下肺生検、終夜睡眠ポリグラフィー

主な実績

項目 令和2年度 令和3年度 令和4年度
外来患者延数(人/年) 7,776 7,311 7,411
入院患者延数(人/年) 13,870 12,278 11,394
HOT 延患者数(人/年) 215 185 191
CPAP 延患者数(人/年) 834 903 903
HMV延数(件/年) 18 19 32
終夜睡眠ポリグラフィー(件/年)  簡易 32 11 15
終夜睡眠ポリグラフィー(件/年)  精密 34 13 7
気管支鏡検査延数(件/年) 27 20 5

HOT:在宅酸素療法

CPAP:在宅持続陽圧呼吸療養

HMV:在宅人工呼吸療法

疾患・治療詳細

呼吸器感染症

細菌やウイルスなどの病原微生物が感染して起こる気管支炎や肺炎です。肺炎のうち、通常の社会生活を送っている人に起きる肺炎を市中肺炎と呼んでいます。一方、病院で入院中に起こる肺炎は院内肺炎と呼ばれます。一般的に市中肺炎より重症で、多くの場合、耐性菌や誤嚥が関係します。最近、介護施設や長期療養病床群で起こる肺炎、医療・介護関連肺炎が注目されています。市中肺炎と院内肺炎の中間の特徴があり、しばしば終末期の患者さんが罹患します。いずれの肺炎も病原微生物に対する抗菌薬で治療します。重症度や抗菌薬耐性菌が原因となっている可能性を考えながら、抗菌薬を選択します。

 

気管支喘息

気管や気管支(気道)にアレルギー炎症が起こり、発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。ゼーゼー、ヒューヒューという音や咳や痰が出て、息苦しくなります。診断のためには呼吸機能検査やアレルギー検査を行います。治療としては気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬と長時間気管支を拡張する吸入β2刺激薬を用います。重症の患者さんには分子標的治療薬を併用することがあります。

 

COPD

以前は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた病気です。長期にわたるタバコの煙の吸入により気管支が細くなったり、気管支の先端の肺胞(小さな袋が集合した構造)が破壊されて肺気腫という状態になります。症状は体を動かした時に起こる息切れと慢性のせきやたんです。診断には呼吸機能検査を行います。CTを撮ると肺気腫の程度が分かります。治療の基本は禁煙です。薬物療法の中心は長時間気管支を拡張する吸入抗コリン薬や吸入β2刺激薬です。重症で増悪を繰り返す場合は吸入ステロイド薬を併用します。非薬物療法では呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸など)が中心となります。低酸素血症が進行してしまった場合には在宅酸素療法を導入します。さらに呼吸不全が進行した場合は、人工呼吸療法(小型の人工呼吸器とマスクを用いて呼吸を助ける換気補助療法)を行います。

 

肺がん

肺がんは早期であれば手術が最も治癒の期待できる治療法です。しかし、発見された時には進行している場合が多く、その場合は手術のほかに放射線治療や抗がん剤治療が選択されます。当科では主として肺がんの診断と進行がんに対する抗がん剤治療、緩和ケアを行います。診断のための検査としては、CT、たん検査や気管支鏡を用いた細胞検査(病理学的診断)を行います。胸水が貯まっている場合は、針を刺して胸水を採取し、がん細胞の有無を調べます。肺がんと診断され、手術、放射線治療の適応があれば、適切な施設に紹介します。

 

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす病気です。肥満や小さいあごのため空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。診断は終夜睡眠ポリグラフィーで行います。代表的な治療方法は持続陽圧呼吸療法であり、CPAP(シーパップ)と呼ばれます。鼻にマスクを装着し、空気を送りこむことによって、上気道を広げておく方法です。

医師紹介

詳しくはこちら

医師名

主な所属学会と資格

山本 司生

呼吸器内科部長

  • 日本内科学会
  • 日本呼吸器学会
  • 日本感染症学会
  • 日本環境感染学会
  • 日本臨床栄養代謝学会

西井 静香

呼吸器内科部長

  • 日本内科学会(総合内科専門医)
  • 日本呼吸器学会(専門医)
  • 日本肺癌学会
  • 日本臨床腫瘍学会
  • 日本呼吸器内視鏡学会
  • 日本呼吸療法医学会
  • 日本結核病学会

重白 啓司

呼吸器内科部長
総合診療内科部長

  • 日本内科学会
  • 日本呼吸器学会

診療科

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