放射線科
お役にたちます画像診断・IVR、お役にたちたい放射線科
概要
当院の放射線科では、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像検査(MRI)などの画像診断を行っています。あらゆる臓器、ほとんどの疾患を対象としており、画像から得られるさまざまな情報を臨床各科に届けることで、各科の治療方針の決定に大きく貢献しています。また、画像診断を活用しながら行う低侵襲治療も行っています。カテーテル操作での血管内治療を含む画像モニター下での手技を応用した治療法であるIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)は、手術に比べて体への負担が少なく、当科でも積極的に行っています。放射線診療を通して、院内の他診療科や近隣の医療施設と協力し、患者さん一人一人と接しています。
特色・方針・目標
放射線科というと一般的にはわかりにくく、また放射線をあびる怖い所というイメージをお持ちかもしれません。しかし、実際には各診療科の診療の一ツールである画像診断に深くかかわり、患者さんの病気の早期診断、早期治療に貢献しています。もちろん検診業務にも関わっています。また、放射線科で使用している電離放射線は決して障害を与えるような被ばく量にはなりません。また、MRIといった放射線を使用しない診断機器も備えています。
単純撮影は予約不要で行います。CT・MRI・IVRは予約が必要となりますが、緊急性がある症例には予約なしで可及的に対応しています。CTもMRIも全身が対象ですが、CTは特に頭部・胸部・腹部に、MRIは頭部・整形領域に有用です。IVRの対象は血管系と非血管系に分類されます。当院では血管系は肝腫瘍・透析シャント・大量出血・下肢の末梢動脈を、非血管系では胆道系・膿瘍を主に治療しています。
大腸内視鏡検査が困難な方にはCTを用いたCTC検査を行っています。肛門からカメラを挿入する必要がありませんので、負担が少ない検査です。
主な対象疾患
画像診断の対象となるすべての疾患
検査内容
画像診断
- MRI:GE社製 SIGNA INFINITY 1.5T(テスラ)
- CT:GE社製 OptimaCT660 マルチスライスCT(64列)
CTは64列のマルチスライスCT1台を使用し、1日に30名前後の方の検査をしています。MRIは1.5Tの高磁場装置を用い1日に15名前後の方の検査をしています。
近隣の医院、病院からの御依頼に対しては、放射線科の受付に電話をして頂き、検査日時の予約を取りますので、患者さんには一度の来院で検査が完了し、結果がわかるようになっています。(地域連携室が窓口となり対応しています。)
IVR
IVRとは診断装置を利用した、低侵襲の(患者さんに優しい)治療です。当科では肝腫瘍に対する治療と末梢血管に対する治療に特に力を入れており、 多くの症例を扱っています。
AI技術を活用した画像診断のサポート
当院では、胸部X線やCT検査をより正確に診断するために、AI(人工知能)を活用したシステムを導入しています。
胸部X線画像や胸部CT画像には、小さな異常(肺がんの可能性がある影や腫瘤など)が含まれることがあります。これらを見逃さないためには、高度な技術と集中力が必要です。当院では、AI技術を活用することで、より確実に異常を発見し、診断の精度を向上させる取り組みを進めています。
【CXR-AID(胸部X線AI診断サポート)】
「CXR-AID」(富士フイルムメディカル社)を導入し、胸部X線画像の診断をサポートしています。
このシステムは、肺の結節(肺がんの可能性がある影)や浸潤影(炎症の影)、気胸(肺の一部が縮む状態)の疑いがある部分を自動的に検出し、マークを表示します。マークの色は、黄色から赤色へと変化し、赤色になるほど異常の可能性が高いことを示します。このシステムは院内のすべての電子カルテ用PCで使用できるため、より効率的に診断を行うことができます。
【SAI Viewer(AI画像診断ビューワー)】
「SYNAPSE SAI Viewer」(富士フイルムメディカル社)を導入し、CT画像の診断をより正確に行っています。
このシステムでは、胸部CT画像に映る結節を自動で検出し、サイズや形状、内部構造を分析できます。
さらに、以下のような異常を見つけるサポートを行います。
- 肋骨の骨折
- 脳や肝臓、腎臓の異常
- 脊椎や肋骨の番号表示
- 肺や肝臓の区域を表示
これらにより、よりスムーズで正確な診断が可能になります。
私たちは、最新の技術を活用し、患者さんにより安心で質の高い医療を提供できるよう努めてまいります。
主な実績
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | |
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IVR | 70件 | 94件 | 100件 |